二つの言語を話す人をバイリンガルと言いますね。でも、この『バイリンガル』ちょっと曲者。なぜかと言うと、それは度合いがたくさんあるからです。
バイリンガル子育ては目標を定めるとやり易いです。そうでなければ迷走してしまうかもしれません。
本記事では、バイリンガル子育てを始める前に絶対知っておきたいバイリンガルの程度を解説します。
あなたはどんなバイリンガルを目指しますか?
習得時期による分類
言語学の専門分野における分類では、バイリンガルはまず、習得時期によって「早期バイリンガル」と「後期バイリンガル」の二つに分類することができます。
これは開始時期を明確にしているだけなので、どちらに分類されるかによって言語習得に支障をきたすわけではありません。そのため、重視する必要はありません。
早期バイリンガル
早期バイリンガルは更に2つに分類されており、3歳までに2言語を習得すると「同時バイリンガル」、3歳以降6歳までに2言語を習得すると「継続バイリンガル」と呼ばれます。
後期バイリンガル
6歳以降に2言語を習得した人のことを後期バイリンガルと呼びます。
熟達度による分類
熟達度による分類は、いわゆるその人のバイリンガル度を示すバロメーターとも言えます。言葉は難しいですが、心に留めておいてください。イメージにするとこんな感じです。
均衡バイリンガル(バランス・バイリンガル)
二言語の能力に差が無い状態。二言語を母国語レベルに同等に使うことのできる人のことを指します。二つの言葉を全く同じレベルで使いこなせる人は少ないと言われています。
偏重バイリンガル(ドミナント・バイリンガル)
どちらかの言語が優勢な状態。二言語の能力に差がある人のことを指します。その差が大きい人もいれば小さい人もいますが、一般にバイリンガルの大半が偏重バイリンガルであると言われています。
受容的バイリンガル(パッシブ・バイリンガル)
二言のうち、一つは母国語として流暢に使いこなせ、もう一つは聞いて理解することはできるが、話すことのできない人のことを指します。通常専門書では、受容的バイリンガルが熟達度の分類に入っていることは稀ですが(他にもいろいろな分類方法があるため)、ここでは敢えて、分類の一つとして加えました。
と言うのも、ハーフのお子さんの場合、偏重バイリンガルに到達せず、言われていることは分かるが、その言語で答えられないと言う子が多いからです。
限定的バイリンガル(ダブルリミテッド・バイリンガル/セミリンガル)
両方の言語とも一定のレベルに達していない、年齢相応に達していない人のことを指します。どちらの言語も中途半端な状態です。
こうなってしまっては悲劇です。
言いたいことをうまく伝えることができませんし、なによりも、言語のレベルが著しく低いということは、すなわち思考力や論理的にものを考える力が育たないということに繋がります。
タレントのローラさんや滝沢カレンさんがダブルリミテッドと言われたりしますね。このブログを読まれている方は、バイリンガル子育てに対する意識の高い方だと思います。バイリンガルに育てるには何を気をつければ良いかを知っていれば、ダブルリミテッドを危惧する必要はまずないでしょう。
まとめ
バイリンガルも十人十色。いろいろな分類が存在することが分かりました。どんなバイリンガルに育てたいのか方向性が定まれば、すべきことが見えてきます。
バイリンガルって奥が深い!もっと知りたい!とお思いの方、ぜひ「バイリンガル教育の方法」を読んでみてください。ありがちな成功体験談ではなく、バイリンガル教育の研究者が研究成果と具体的な教育方法を分かりやすくまとめてくれています。喉に引っかかったものがスッと落ちていくそんな一冊です。
あとは、バイリンガルに関するこちらのTEDトークも分かりやすいので興味があればご覧ください。
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