動物園の狭い檻に閉じ込められた動物たちが気の毒で仕方がなかったりするのに、大喜びの子どもの姿を見て、複雑な気持ちを納得させていませんか?
ナショナルジオグラフィックに出てくるような野生の動物をお子さんに見せてあげたいと思っていますか?
サファリと言えば、アフリカだけど、治安やマラリアの問題など、小さな子どもと一緒は無理かもと諦めかけていますか?
幼児と5大陸を制覇したひじりが、そんな疑問にお答えします!
本記事では、5歳の子供連れでも、満喫できる南アフリカの穴場サファリをご紹介します。
子連れでアフリカに行きたくない理由
マラリアに感染するリスクがある
アフリカに旅行したことのある人に必ず言われる言葉。
「アフリカは一度行ったらハマるよ。」
BBC Earthの自然ドキュメンタリーが好きで、よく見ますが、アフリカの映像は大地の底から力がみなぎっていて、この目で見たいとアフリカ旅行に想いを馳せ、娘を本場のサファリに連れて行ってあげられたらどんなに素晴らしいだろうと妄想を膨らませていました。
が、
アフリカと言えば、北の方と、先っちょの方以外、マラリア感染地域…!
大人だけでも即決できないのに、そんなところに子どもを連れて行くなんてリスク高すぎ。
「肌を露出しなければOK」なんてアドバイスをくれる人もいますが、暑い日に、子どもがおとなしく全身露出しないでいられる保証なんてありません。
子どもの健康を危険に冒してまでアフリカのサファリに行く必要があるのか?
うーん。ないぁ。
治安が悪すぎる
もう一つ、子連れでアフリカに行きたくない理由。それは、治安の悪さ。外務省の海外安全情報をみても、アフリカ大陸だけ、やたらと渡航リスク地域が多い…。
子どもの命を危険に冒してまでアフリカのサファリに行く必要があるのか?
うーん。それもないぁ。
子連れでも安心して行けるアフリカのサファリ
マラリアのリスクも犯罪に巻き込まれるリスクも負うつもりはさらさらないけど、でもやっぱり、野生の動物たちの姿を見にアフリカに行きたい。
そんなわがままな願いを叶えてくれる場所がありました!
マディクエ動物保護区なら安全
サファリと言えば、ケニアの「マサイマラ」や南アフリカの「クルーガー国立公園」などが有名ですよね。最近ではボツワナやタンザニア、ナミビアも人気があるそうです。
私一人ならある程度のリスクは覚悟で世界最高と言われるようなサファリを目指すかもしれませんが、子連れ旅だどめっぽう慎重派になる私。
治安面・衛生面・医療面においてある程度の水準があり、何かあったときに対処が可能でなければ困ります。
いろいろと調べた結果、アフリカ初心者向けの穴場がありました!
ボツワナ国境に近い南アフリカのマディクエ(Madikwe)動物保護区です。
下のマラリアリスクマップを見るとよく分かると思いますが、有名なクルーガー国立公園はマラリアハイリスク地域です。一方、標高の高い穴場マディクエはマラリアのリスクが全くありません。
マディクエ動物保護区は南アフリカで5番目に大きな保護区で、66種類の哺乳類と300種近い野鳥が暮らす楽園です。もちろん、ビッグファイブ(バッファロー・ゾウ・ライオン・ヒョウ・サイ)もいます。
マラリアフリーという恵まれた土地柄、家族向けの宿泊施設が多く、子連れにはもってこいです。
サファリレビューサイトなどでは「Hidden Gem」と言われるだけあり、サファリ内をジープで移動しながら動物を観察するゲームドライブ中も、他のグループと鉢合わせになるということはまずありません。絶滅の危機にあるアフリカン・ワイルドドッグの群もいます。
また、ヨハネスブルグには大きな病院もあるし、治安や衛生面に関してもロッジ宿泊なら、特に問題はなさそうです。
Etali Safari Lodge
マディクエ動物保護区内には10軒以上の宿泊施設があります。どこに宿泊しても、たいていは、3食と朝晩2回の「ゲームドライブ」が含まれていると思います。お値段は一泊8万円〜20万円越えと施設のランクもまちまちでどこにしようか迷ってしまいますね。
私たちは、各種レビューサイトを読み漁り、評価の高かったEtali Safari Lodgeにお世話になりました。(tripadvisorでも600件以上のレビューがあり5つ星評価!)
Etaliはラグジュアリーロッジに分類されるようで、一泊10万円を超えますが、サービスはみなさん仰る通りピカイチでした(ここしか泊まってないので、他のロッジと比較できないですが)。3泊中、食事の内容や演出は毎日違います。レストランでのフルコース(インパラなどシビエ料理も出ました)から、キャンプファイヤーを囲んで野外ビュッフェ(スタッフによるアフリカ民謡のショーあり)。サファリ中にも朝食を用意してくれたり、おもてなし精神が最高でした。
また、ゲームドライブも熟練のレンジャーが色々と教えてくれ、根気よくビッグファイブを探してくれます。通常ゲームドライブは安全上の理由から、6歳からしか参加できないのですが(大きな声で泣いたり、駄々をこねたりすると、動物が逃げたり、動物に襲われたりして危険)、娘はレンジャーの指示に従うことができたので当時5歳でしたが、通常のゲームドライブへの参加を了承いただきました。
もちろん、クッキングやクラフトなど日中の子ども向けのプログラムも充実して、「バンドルドライブ」という危険な動物観察を除いた小さい子ども向けのサファリもあります。
ロッジは、各部屋プール付きで広々としています。細部にまで気を配った完璧なサービスなのに、それでいて気取った感じがせず、インテリアもアフリカの大地とうまく溶け込んでいてオーナーのセンスを感じました。
おまけ:ケープタウン滞在
ケープタウンは危険だったか?
実は、フライトの発着がケープタウンだったので、ケープタウンにも数泊しました。
治安が悪い悪いと言われていますが、観光客が行くようなエリアはいたって普通でした。空港周辺にスラム街がありましたが、そういった場所に立ち寄らない限り、ヨーロッパの都市と比べてそれほど治安が悪い印象はありません(ただし、夜遅くは出歩いていないので日中〜夕食どきまでの印象です)。
喜望峰とペンギンに会えるボルダーズビーチへも足を伸ばしました。こちらも、簡単にタクシーをチャーターでき、ぼったくられることもなく、ドライバーも親切で不安な思いは一切しませんでした(観光タクシーが無数にあるので、希望のコースを巡ってくれるドライバーは簡単に見つかります)。
また、レンタルバイクを借りてサイクリングを楽しむこともできます。私は、チャイルドシートやヘルメットも貸してくれるUp Cyclesというところを利用しましたが、わかりやすいサービスでおすすめです。海岸沿いは自転車が通りやすいように舗装されており、家族連れで自転車に乗っている人もたくさんいました。※ハンドブレーキではなく、バックペダルブレーキなので慣れるまで少し戸惑いました…。
他にも、子連れ旅だと、公園の有無も気になりますよね?ケープタウン海岸沿いの公園は面白い遊具がたくさんあり、整備もきちんとされているので、安心して子どもを遊ばせることができます。私の住んでいるイタリアの地方都市と比べたら雲泥の差…(地元の公園の遊具は壊れたまま放置が常)。
あえて言えば、アパルトヘイトが廃止され、民族が融和しているなと感じるような場面もあれば、白人と黒人の格差を目の当たりにする場面もあり、なんとなく複雑な気持ちになりました。
ケープタウン満喫おすすめスポット3選!
ケープタウンの街はアフリカ?!と思うほど洗練されていて、美味しいお店やオシャレな雑貨屋さんの宝庫でもあります。実際に行って納得したおすすめスポットをご紹介したいと思います。(2017年の情報です。)
1.V&Aウォーターフロント
400軒以上のお店が集まっている人気のエリアです。Made in Cape Townの一品ものの雑貨にも出会えます。南アフリカのソールフード「ビルトン(干し肉)」の量り売り屋さんではインパラのお肉など珍しいものも味見できました。定番スポットですが、効率よくお土産や特産物を手に入れることができるので、限られた時間で観光するなら外せません。
写真:Shongololo Toys
2.The Neighbourgoods Market
週末のみ開催されているファーマーズマーケットです。その辺の青空市場とはワケが違って、ものすごくレベルが高いです。作り手のこだわりと愛情を感じる商品に出会えます。ライブ音楽もあり、ちょっとしたお祭り気分。Fynのルイボスアイスティーは一押しです!さっぱり甘酸っぱく、旅の疲れが一気にぶっ飛びますよ。
3.Honest Chocolate
濃厚な南アフリカチョコが楽しめるチョコ専門店です。店内も落ち着いていて、おしゃれ。チョコミルクシェイクがものすごく美味しくて感動しました。チョコレート好き必見!
まとめ
南アフリカのマディクエ動物保護区ならマラリアフリーなので小さい子どもと一緒でも安心してサファリを楽しめます。
また、ケープタウンの治安も観光で訪れるエリアは子連れでも全く問題ありませんでした(赤ちゃんを抱っこ紐に抱えた欧米の観光客もたくさんいました)。
ざっと、今回の旅程をまとめると…。
2日目 ケープタウン(Hilton Cape Town City Centre泊)
3日目 ケープタウン – ピラネスブルグ移動 マディクエロッジ送迎(Etali泊)
4日目 マディクエ(Etali泊)
5日目 マディクエ(Etali泊)
6日目 ヨハネスブルグ – ケープタウン移動(Hyde Hotel泊)
7日目 ケープタウン 喜望峰&ボルダーズビーチ(Hyde Hotel泊)
8日目 ケープタウン テーブルマウンテン&街散策(Hyde Hotel泊)
9日目 ケープタウン – ローマ移動
見逃したところもあるので、ケープタウンではもう一日欲しかったなと言う印象です。
最後に、南アフリカは、子供連れの入国がとても厳しく、戸籍謄本の英訳が必要です。出発前に忘れず準備するようにしてくださいね(詳しくは南アフリカ観光局のページをご覧ください)。
それでは、良い旅を!