みなさんはカルチャーショックを経験したことありますか?海外暮らし10数年になる私は、カルチャショックネタわんさかあります。
『カルチャーショック』と一言で言っても、笑って済ませるものから、生きづらさを感じてしまう深刻なものまで多岐にわたります。
どうしたら良いのか行き詰まっても、もう心配無用!カルチャーショックには段階があり、対処方があるのです。
どんな壁が立ちはだかろうとも、戦い方を心得ていれば怖いものはありませんね。敵を知り、身軽に生きましょう。
カルチャーショックって何?
文化の概念
カルチャーショックを知る前に、まず文化の概念について確認しておきたいと思います。
文化:人間の知的洗練や精神的進歩とその成果、特に芸術や文学の産物を意味する場合もあるが、今日ではより広く、ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式をさすことが多い。このように定義される文化は、言語、思想、信仰、慣習、タブー、掟、制度、道具、技術、芸術作品、儀礼、儀式などから構成される。参照:ブリタニカ国際大百科事典
なるほど、一定のグループで共有している価値観や習慣のことを『文化』というのですね。
カルチャーショックはどう起こる?
カルチャーショックと言う言葉は、1960年にカレルヴォ・オバーグと言うカナダの人類学者が初めて用いました。
カルチャーショック:異文化に見たり触れたりした際、習慣・考え方・異文化の実像について、母国文化の常識と大幅に掛け離れていたり、自身が学校教育などで習得したその異文化に関する知識・情報と乖離しているため、心理的にショックを受けたり戸惑うことである。参照:Wikipedia
新しい環境で、今までの常識が通用せず、心が適応できないときにカルチャーショックは起きます。
カルチャーショックの段階を知る
カルチャーショック適応過程5つのステージ
カルチャーショックは突発的なものではなく、大きく5つの段階があると言われています。
- ハネムーンステージ:初期の段階に発生。全てが新鮮で楽しい!
- ショックステージ:新鮮味が薄れ、良くないところが見えてくる。母国が恋しくなる。
- 回復ステージ:新しい習慣に慣れてくる。順応し、別の価値観に気づく。
- 適応ステージ:違いを受け入れ安定した生活ができるようになる。
- 再入国ショック:自国に帰国した際、これまでとのギャップに再度ショックを受ける。
全てのケースがこのステージを辿るわけではありませんが、アップダウンを繰り返し、徐々に適応していくのが一般的な傾向です。このプロセスは、Uカーブ仮説やWカーブ仮説として説明されます。
カルチャーショックの対処法
結論から言うと、カルチャーショックを消してくれる特効薬はありません。
しかし、カルチャーショックは新しい環境に入ったとき、誰しもが直面するイベントです。辛い時期に突入したら、「これは普通のこと」と言うことを思い出してください。
普通のことなのですから、失敗でも挫折でもありません。
普通のことなのですから、手に負えないことでもなく、生涯続くことでもありません。
カルチャーショックを体験することで、あなたの異文化への理解や感受性は確実に高まり、建設的な生活を送るためのライフスキルがパワーアップしている証拠なのです。
そう思えばなんだか元気が出ませんか?焦らずに対処していけば、いずれは克服できるのです。
カルチャーショックを体験した先輩方の具体的な対処法をリストアップしてみました。
⭐️ 悩みや不安の原因となる出来事を書き出し、辛い時はそれらへの関与を最小限にしよう。
⭐️ 冷静になる。新しい環境に適応しようと焦らない。カルチャーショックは普通のこと。永遠に続くものではないと言うことを思い出そう。
⭐️ 日本人(母国の人)と交流する。同じ悩み抱えている人もいるかも知れないし、既に対処法を編み出した人もいるかもしれない。
⭐️ 一人ぼっちにならないようにしよう。ちょっと頑張って新しい環境に飛び込んだら、新しい出会いが出口になることもある。
⭐️ 異文化の中で学んだことや感じたことをリストアップしよう。成長を記録でき、良い振り返りになるよ。
⭐️ 否定的な発言はなるべく控えよう。異文化を批判してストレス発散するのもたまにはいいかもしれないけど、そればかりだと、異文化への適用は遠のいてしまうので気をつけて。
⭐️ カルチャーショックの緩和に役立ちそうな目標を立てる。「街のパン屋さん制覇」や「毎日新しい単語を学ぶ」など。
⭐️ 失敗しても笑って済ませる度胸を持つ。誰も気にしてないよ。
⭐️ ストレス発散になる運動をしよう。
⭐️ 健康的で規則正しい生活を送ろう。
⭐️ 思いきり楽しもう。異文化体験のチャンスを大いに楽しんで。
⭐️ どうしても精神的に辛い時、自分ではどうしようもない時は、専門家に相談することも選択肢に入れておこう。
イタリアあるある異文化体験
私も振り返ると、つら〜い時期もありました。それも10年も生活していると住めば都となるものです。もちろん、未だに受け入れられない習慣もたくさんありますが、切歯扼腕することなく対処できるようになりました(←ウソ。今でもよくキレてます)。
私がイタリアで心穏やかに生活できるようになるまでのカルチャーショックエピソードをご紹介します。
ハネムーン:仕事中でも堂々と長い休憩取ってる。みんな精神的ゆとりを優先して人生楽しんでるなー。すごいなー。💓(イタリア到着直後)
ショック:イタリア人、仕事するの遅すぎね?分からんくせに、適当な返事するな。日本だったら5分で終了する仕事がイタリアだと2日はかかる。は?!💢責任者不在?舐めとんか?(イタリアに来て3ヶ月くらいは出かけるたびにこんな感じでした😅。そしていつも不満気でした。)
回復:ある日、日本社会の利便性が高いのは、個々が社会の歯車を壊さないように努力しているからだと言うことに気づく。その代償は同調圧力や分刻みの忙しい日常。イタリアは緩いから、社会的機能は低いが、その分自由度は高い。両方同時には手に入らない。やけに腑に落ちる。そして、固執していた何かが吹っ切れる。
適応:予定通りにことが進まなくても仕方がないと思えるようになり、たいていのトラブルに対して禅の精神で対応できるようになる(←今ここ)。
まとめ
カルチャーショックは新しい環境に入ったとき、誰しもが直面するできごとです。
人生にはアップダウンがあります。カルチャーショックもその一部なのです。いつまでも続くわけではありません。心の持ちようを少し変えるだけで、徐々に適応していくことができます。
全ての違いを受け入れることができなくても、そんなもんなんだと納得さえできれば出口はすぐそこです。あなたのライフスキルはパワーアップし、きっと異文化での生活が楽しくなると思います。
文化の間に生きるサードカルチャーキッズについてはこちらの記事に書いています。もしよければ読んでみてください。