二つの言語を話す人のことを「バイリンガル」と言いますね。でも実はこの“バイリンガル”、ちょっと曲者。
実はその間にいくつものステージがあって、親の関わり方で変わることも。
バイリンガル子育てを成功させるには、まずどんなバイリンガルを目指すか、目標を明確にすることが大切です。そうでなければ、途中で迷ったり、親も子もストレスを感じてしまうかもしれません。
この記事では、バイリンガル子育てを始める前に知っておきたい、「バイリンガルの分類とその特徴」をわかりやすくご紹介します。
💬 あなたは、どんなバイリンガルを目指しますか?
習得時期による分類
言語学では、バイリンガルを言語習得を始めた時期によって大きく2つに分類します。
これはあくまで開始時期の目安であり、どちらだからと言って言語能力に必ず差が出るわけではありません。そこまで神経質になる必要はありませんが、目安として知っておくと便利です。
早期バイリンガル
早期に2つの言語を習得した子どもたちは、さらに以下のように分けられます:
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同時バイリンガル:3歳までに2言語を並行して習得
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継続バイリンガル:3歳以降~6歳までに2言語を順に習得
後期バイリンガル
6歳以降にもうひとつの言語を学び始めた場合、「後期バイリンガル」と呼ばれます。思春期や大人になってから言語習得を始めたケースもここに含まれます。
熟達度による分類
続いては、熟達度による分類です。いわゆるその人のバイリンガル度を示すバロメーターとも言えます。言葉は難しいですが、心に留めておいてください。イメージにするとこんな感じです。

均衡バイリンガル(バランス・バイリンガル)
2つの言語をほぼ同じレベルで使いこなせる人のこと。読み書き・会話・理解のすべてで差がない状態です。
ただし、このタイプはかなり稀。多くのバイリンガルは、どちらか一方が少し得意だったりします。
偏重バイリンガル(ドミナント・バイリンガル)
2言語のうち、どちらかが優勢な状態です。読み書きや思考に使う言語が自然と片方に偏ることもあります。
実は、一般的なバイリンガルの多くがこのタイプです。だからといって劣っているわけではなく、これは自然なこと。
受容的バイリンガル(パッシブ・バイリンガル)
聞けば理解できるけど、話すことができない──そんな状態の人を指します。
例えば、日本語の家庭に育ちながらも、日本語ではうまく話せず英語だけが流暢、というようなケースです。
このタイプは専門書ではあまり分類に含まれませんが、ハーフの子どもによく見られる状態のため、ここではあえて取り上げています。
限定的バイリンガル(ダブルリミテッド・バイリンガル/セミリンガル)
どちらの言語も、年齢相応のレベルに達していない状態。言語がどちらも中途半端なままになってしまうことを指します。
これは避けたい状態です。
言語力が不十分だと、思考力や論理性の発達にも影響するといわれています。
たとえば、タレントのローラさんや滝沢カレンさんがこのタイプに該当すると語られることもあります(もちろん、今では表現力の豊かさで活躍されています)。
でも、心配しなくても大丈夫。
このブログを読んでいる方は、バイリンガル育児に興味があり、意識を持って取り組もうとしている方ばかり。
しっかりとした方針をもって進めれば、この状態に陥る心配はまずありません。
まとめ
バイリンガルといっても、実はいろいろな形・レベルがあるんですね。
まずは、「どんなバイリンガルを目指すのか」を家族で共有すること。
それが決まれば、我が家に合った育て方やサポート方法が見えてきます。
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